SEMICON JAPAN徹底解説【現役エンジニアのセミコン体験談】

SEMICON JAPAN徹底解説半導体製造装置


このような疑問に対して、半導体製造装置メーカーの現役エンジニアがわかりやすく解説します。

2023年12月14日にセミコンに参加してきましたので、体験談も交えて解説します。

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@電気工学

はじめてセミコンに参加したときは、出展ブースの多さに圧倒されました。

本記事を読んで分かること
  • SEMICON JAPAN(セミコンジャパン)とは?
  • 開催場所/日程/参加方法
  • 出展している企業
  • 把握しておきたい半導体知識
  • SEMICONの体験談
本記事の信頼性
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  • 半導体製造装置メーカーの電気設計エンジニア
  • 特許出願:3件(半導体製造装置の制御技術関連)
  • 資格:電検2種、エネルギー管理士、基本情報技術者
展示会
SEMICON JAPANとは?

国内最大級の”半導体”の国際展示会です。

  • 出展者
    半導体デバイスメーカー、半導体製造装置メーカー、半導体材料メーカーなど
    -国内出展者数:774社/団体(2023年)
    -海外出展者数:187社/団体(2023年)
  • 参加者
    半導体関連企業の社員、転職希望者、就活生など
    -60,000人(2023年)

昨年と比較して参加団体が4割以上増えました。
半導体産業の注目度の高まりやコロナが5類に移行したことが要因です。


SEMICONの主な内容は展示会とセミナーです。

  • 展示会
    半導体関連企業、団体のブースが商品を出展
  • セミナー
    ”半導体業界の見通し”や”半導体技術者育成”など様々な題材で開催
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当日の服装ですが、スーツ、ビジネスカジュアルの方がほとんどでした。

東京
開催場所&日時【2024年】
  • 場所:東京ビッグサイト
  • 日程:12/11(水)、12/12(木)、12/13(金)

2024年の開催場所は東京ビッグサイトです。
ここ数年は毎年東京ビッグサイトでの開催です。

東京ビッグサイトの最寄り駅は以下です。

  • りんかい線 国際展示場駅:下車 徒歩約7分
  • ゆりかもめ 東京ビッグサイト駅:下車 徒歩約3分

東京ビッグサイト駅の方が会場に近いですが、国際展示場駅から東京ビッグサイトまではバスが出ています。

ちなみに東京ビッグサイトに入場してから受付まで5分程度掛かりますので、余裕を持っておくことをオススメします。

当日、SEMICON以外の展示会も開催している場合があるので、入場には注意が必要です。


2024年の開催日程は、12/11(水)、12/12(木)、12/13(金)です。

基本的に例年12月の水曜、木曜、金曜に開催されます。
開催時間は10:00~17:00です。

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余談ですが、16時以降は展示会場でお酒が飲めたりします。

参加

SEMICON JAPANの公式サイトで参加申し込みが可能です。

参加方法
  1. アカウント新規登録
  2. ログイン
  3. 来場・セミナー申込
  4. 参加証印刷

アカウント新規登録

SEMICONに初めて参加する方はまずアカウント新規登録(個人情報の登録)が必要です。

SEMICON JAPANの公式サイトで登録できます。
登録は無料です。

※今までSEMICONに参加したことのある方は新規登録不要です。

ログイン

「アカウント新規登録」で設定したID、パスワードでログインします。

来場・セミナー申込

  • 来場のみ:無料
  • 来場+セミナー:有料/無料の両方あり

セミナーは参加可能枠が決まっているので、早めに申込む必要があります。
ちなみに私は毎年来場のみで申し込んでます。

来場のみを選択した場合でも、セミナーに参加できないだけで全ての展示物を閲覧可能です。

参加証印刷

参加証は事前に印刷しておく必要があります。

SEMICON参加中は参加証を首に掛けておく必要があります。
当日、首に掛ける参加証フォルダーを貰えます。

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来場のみであれば前日の登録でもOKです。

私も2日前に登録しました。

出展している企業

SEMICONには半導体業界に関連する様々な企業、団体が参加しています。

出展している企業
  • 半導体デバイスメーカー
  • 半導体製造装置メーカー
  • 半導体部品メーカー
  • 半導体材料メーカー

半導体デバイスメーカー

半導体デバイスメーカーは半導体製造装置メーカーから半導体製造装置を購入して、実際に半導体デバイスを製造します。

半導体デバイスとは、スマートフォンなどに内蔵される樹脂ケースで覆われたICチップのことです。


半導体デバイスメーカー(SEMICON JAPAN 2023参加企業)
ソニーセミコンダクタソリューションズ、マイクロンメモリジャパン、三菱電機、富士電機など

半導体製造装置メーカー

半導体製造装置メーカーは、半導体デバイスを製造するための装置を製造します。

SEMICONのスポンサー企業が多く、ブースの規模も大きいです。


半導体製造装置メーカー(SEMICON JAPAN 2023参加企業)
東京エレクトロン、SCREEN、ディスコ、KOKUSAI ELECTRICなど


半導体製造装置をわかりやすく解説している記事はこちらです。

半導体製造装置とは?【現役エンジニアがわかりやすく解説】
半導体製造装置とは、半導体デバイスを製造するための装置です。半導体デバイスとは、スマートフォンなどに内蔵されている樹脂ケースで覆われたICチップのことです。樹脂ケースの中身は切断されたシリコンウェハです。

半導体部品メーカー

半導体部品メーカーは、半導体製造装置で使用する部品を製造します。

例えば、「ガスの流量制御を行うマスフローメーター」や「チャンバー内を真空圧にするドライポンプ」などがあります。


半導体部品メーカー(SEMICON JAPAN 2023参加企業)
堀場エステック、荏原製作所、日本電産、フジキンなど

半導体材料メーカー

半導体材料メーカーは、半導体の材料となるシリコンウェハを製造します。

シリコンウェハとは、高純度のシリコンの結晶を円盤状に切り出したものです。

シリコンウェハの上に様々な処理を施すことで、半導体を作ることができます。


半導体材料メーカー(SEMICON JAPAN 2023参加企業)
信越化学工業、SUMUCO、グローバルウェーハズなど

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半導体製造装置メーカーは特に日系企業が強いです。

半導体

SEMICONをより有意義なものにするために抑えておきたい半導体知識を解説します。

把握しておきたい半導体知識
  • シリコンウェハ
  • 前工程 / 後工程
  • IDM / ファブレス / ファウンドリ

シリコンウェハ

シリコンウェハとは、高純度のシリコンの結晶を円盤状に切り出したものです。

シリコンとは、ケイ素(Si)という金属です。

現在最も使用されているシリコンウェハのサイズは、直径300mm(8インチ)の円盤です。

シリコンウェハのサイズが大きいほど効率良く半導体を製造することができます。

シリコン結晶化技術の進歩に伴い、直径150mm→200mm→300mmとシリコンウェハのサイズが大きくなってきました。

現在のシリコン結晶化技術では直径450mmのシリコンウェハを製造することが可能です。

ただ半導体製造装置自体が直径300mmのシリコンウェハに対して規格化されており、現在450mmのシリコンウェハはほとんど普及していません。

前工程 / 後工程

半導体製造工程は「前工程」と「後工程」に大別されます。

  • 前工程:未処理のシリコンウェハ~シリコンウェハに微細な回路を形成するまでの工程
     ・・・東京エレクトロン、SCREEN、KOKUSAI ELECTRICなど
  • 後工程:シリコンウェハをチップ状に切断~デバイスを出荷するまでの工場
     ・・・ディスコ、Advantestなど

IDM / ファブレス / ファウンドリ

半導体デバイスメーカーは、デバイスの設計/生産の有無に伴い「IDM企業」、「ファブレス企業」、「ファウンドリ企業」に大別されます。

方式設計生産主要なメーカー
IDMインテル、サムスン電子
ファブレス×エヌヴィディア、クアルコム
ファウンドリ×TSMC、グローバルファウンドリ

IDM(Integrated Device Manufacturer)企業
垂直統合型と呼ばれ、自社で半導体製造工場を所有し、半導体デバイスの設計および製造を行う企業です。


ファブレス(fabrication facility less)企業
自社で半導体製造工場を所有せずに、半導体デバイスの製造は行わず、設計のみに特化した企業です。

設計した半導体デバイスの製造は半導体製造工場を持つ「ファウンドリ企業」に委託します。


ファウンドリ(Foundry)企業
自社で半導体製造工場を所有し、半導体デバイスの設計は行わず、製造のみに特化した企業です。

半導体デバイスの設計は行なわないため、「ファブレス企業」から設計情報を入手し、自社の半導体製造工場で製造を行います。

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以上、SEMICONまでに把握しておきたい最低限の半導体知識でした。

展示会に参加

2023年12月14日にSEMICONに参加してきましたので、その体験談になります。

10時開場なので、国際展示場駅には9時45分頃着きました。

午前中はSEMICON会場で取引先との打ち合わせが入っていました。

半導体関連メーカーで働いていると、SEMICONで打ち合わせをすることが良くあります。


午後は各メーカーの展示ブースを回りました。

各展示ブースを一通りチラ見しましたが、印象的だったブースを紹介します。

Rapidus(ラピダス)

Rapidusは2022年に設立された先端半導体の国産化を目的とした半導体デバイスメーカーです。

トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行などが出資してます。

北海道千歳市に半導体製造工場を建設中です。


SEMICONではRapidusの経営戦略のプレゼンテーションを実施していました。

Rapidusは国内随一の注目度でブースは多くの人で溢れかえっていました。

DISCO(ディスコ)

DISCOは半導体製造工程のダイシング装置、グライディング装置、ポリシング装置を主に開発する半導体製造装置メーカーです。

特にダイシング装置は世界シェア70%であり、DISCOの主力装置です。


SEMICONではダイシング装置、グライディング装置、ポリシング装置を複数台展示&稼働していました。

個人的にはDISCOの展示が半導体製造装置メーカーの中で一番見応えがありました。

DISCOは毎年多くの半導体製造装置を展示しているのでオススメです。

Lasertec(レーザーテック)

Lasertecは半導体に関連するレーザー光学製品を開発するメーカーです。

主力はEUVパターンマスク欠陥検査装置という半導体の欠陥を検出する装置で、世界シェア100%です。


SEMICONではEUVパターンマスク欠陥検査装置のプレゼンを実施していました。

シリコンウェハ内部の欠陥を平面ではなく、3Dで解析する手法を発表していて興味深かったです。

一般社団法人ミニマルファブ推進機構

一般社団法人ミニマルファブ推進機構は半導体を手軽に多品種少量生産することを目的とした団体です。

半導体製造工程は100工程以上あり、半導体製造装置が何台も必要です。

そのため、半導体製造工場を建てるには非常に大きい面積が必要です、

かつクリーンルーム環境という、パーティクル(微小なゴミ)を排除する環境が必要で、設備を用意するハードルが高いです。

一般社団法人ミニマルファブ推進機構は小さいシリコンウェハを処理できる小さい装置を製造し、通常のオフィス等のワンフロアで半導体を製造することを想定しています。


SEMICONではミニマルファブプロジェクトに参加している各メーカーの装置が展示してありました。

ミニマルファブの半導体製造装置の大きさはガチャポン機程度です。

ものによりますが通常の半導体製造装置の大きさは、自動車数台程度です。

一般社団法人ミニマルファブ推進機構のブースでは半導体製造工程の一連の流れも学ぶことができるので、初心者の方は参加する価値があると思います。

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今年のSEMICONは15000歩も歩いてました。帰宅した頃にはふくらはぎが筋肉痛でした。

  1. SEMICON JAPAN(セミコンジャパン)とは?
    毎年12月に東京で開催される”半導体に関する国際展示会

  2. SEMICONの開催場所/日程/参加方法
    2024年は以下です。
    場所:東京ビッグサイト
    日程:12/11(水)、12/12(木)、12/13(金)
    参加方法:アカウント新規登録⇒ログイン⇒来場・セミナー申込⇒参加証印刷

  3. SEMICONに出展している企業
    半導体デバイスメーカー、半導体製造装置メーカー、半導体部品メーカー、半導体材料メーカー

  4. SEMICONまでに把握しておきたい半導体知識
    シリコンウェハ、前工程 / 後工程、IDM / ファブレス / ファウンドリ

  5. SEMICONの体験談
    Rapidus(ラピダス)、DISCO(ディスコ)、Lasertec(レーザーテック)、一般社団法人ミニマルファブ推進機構のブースはオススメ
いとー@電気工学

半導体製造装置メーカーで働く電気設計エンジニアです。

■経歴:大学院電気工学専攻(半導体研究室)→地方でエンジニア(20代)
■特許出願:3件(半導体製造装置の制御技術関連)
■資格:電気主任技術者2種、3種、エネルギー管理士、基本情報技術者

当ブログでは「半導体製造装置メーカーの情報」や「電気設計エンジニアのノウハウ・資格」を発信します。

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